PHOTON

PHOTON:写真と音楽と旅行が好きな理屈屋の日記

子どもができました。

とっても忙しい4ヶ月でした。

前回子どもができます、と書いたのは5月10日。その後5月13日に生まれました。

そのときの話です。

奥さんは、30kmほどはなれた実家に里帰りしていた。

その日は突然に訪れた。午前3時8分に安眠を破るお義母さんからの電話。

こんな夜中にお義母さんから電話がかかるということは、あれしかない。

3時に破水した。事前にMKタクシーに妊婦でも乗れる妊婦タクシーの段取りをつけていたので、

すぐにタクシーが来てくれて、病院に行ったとのこと。

破水してから出産までは、時間がかかるらしいということを聞いていたので、気持ちは落ち着いていた。

まずは、会社の上司に、今日は休暇の旨をメールで連絡した。前々から出産間近なことを話していたので、理解してもらえるだろう。

身の回りの準備をして、車で3時45分に病院に出発。

外はもちろん暗い。少し雲はあるが、肌寒さは感じず良い天気に近い。

車の中では、名前どうしよう、とかいろいろ考える。

昨日寝る前に奥さんと電話をしたけれど、全くその兆候はなかった。

「今日一日何をしていたの?」と聞いたら、掃除をしていたとのこと。

一昨日は、後輩と奥さんと私で、カフェにも行っておしゃべりしていたし。

お産てこんなに突然くるんだな。いよいよかぁ。

妊娠がわかってからこの日までとてもうれしかった。

はじめは、お腹ぽっこり出始め、太ったのかと間違えるくらい。エコーでも、2mmで米粒サイズ。

それがだんだんイモムシのようになってきた。奥さんの体調も変化。つわりの症状が出てきた。多少吐いたかもしれない。それより味覚が変わって、トマトジュースばかり飲むようになり、白飯がニガテに。精神状態は幸い落ち着いていて、当たられることはなかった。

聴診器を入手して、聞いてみたが、素人にはよく聞こえなかった。

奥さんのお腹が大きくなって、中で胎児が動き出してからは、お腹も動いているし実感がわいた。

エコーの写真は、顔らしきものが映っているが、鮮明ではなく、宇宙人のような姿しか

映っていなかったので、早く会いたかった。

こんなことを考えながら、病院に到着した。時間は4時20分。

奥さんと、お義母さんが待機室にいた。

ぐうっと、お腹が張るけど、痛くはないらしい。

待機室は暑く、奥さんは汗がびっしょり。時折汗を拭いてあげる。

パルスを見ながら待つ。パルスは、陣痛を表している様子。何分かごとに低い山がくる。

5時40分、お義母さんは用事があって帰宅。奥さんと二人になる。奥さんは眠たいらしく、横向きでうとうとし始める。内診があり、私は部屋の外に放り出される。中からうめき声が聞こえる。けっこう痛いらしい。10分ごとに2回ほど内診があった。

6時23分、奥さんのフーフーが大きくなってきた。陣痛パルスも山が大きくなってきたようだ。ナースコールを呼ぶ。まだ、そのときではないらしい。

6時45分、かなり大きな陣痛の波がきた。

7時10分頃、助産師さんや看護婦さんが5名ほど集まる。分娩台の足を乗せたり、カバーをかぶせたり、器具を準備したり、慌ただしくなった。うろちょろしてもじゃまなので、私は、汗を拭くくらいしかほんとできることがない。下半身はカバーに覆われていて、見えない。見えるのは奥さんの顔だけ。ほんとに痛そう。

医師もやってきて、赤ちゃんを外に出そうとしている。結構出てきたところで、ちょっと切りますよー、といって、切って産道を拡大した。ぎゃー!痛そう。でも奥さんは、その前から痛いので、痛がっている状態は変わらず。その一瞬後、すぽっと赤ちゃんが生まれた!

すぐに取り上げて、後ろのワゴンに置く。おまたからワゴンまでの一瞬で見えたところによると、青っぽい膜に覆われていて、ところどころ血がついているのか赤も見える。べろーんとしたへその緒がつながっていたが、すぐに切られた。すぐにワゴンの上で、悪露が拭い落とされ、奥さんの胸の上に置かれた。

拭われたとはいえ、まだぬれているし、白い脂肪のようなもの(胎脂というらしい)がびっしりついている。赤いし、しわしわ。ちっちゃい。でもそこに生きている。不思議。この十ヶ月で、いつから細胞から人になったんだろう。いつから命ってできるんだろう。

すぐに準備していた帽子を着せる。

夫婦で名前の候補を二つに絞っていたが、出産前には決め切れていなかった。胸の上に赤ちゃんがやってきて、あかちゃんの顔を見たら、夫婦一致で決まった。

医師やナースの多くは部屋を出て行った。胎盤がシャーレの上にのっているのを見てしまった。レバーのかたまりのような・・・。

少しすると、専属の助産師さんが、赤ちゃんの身長や体重・胸囲などを計りはじめた。ここはカメラマンとしてのシャッターチャンス。

10時までいられたが、それ以後奥さんは病室に移動。親族は面会時間ではないので、帰された。

会社へ行ってから、面会時間の15時にまた病院へ。

病室には奥さんだけ。赤ちゃんは、別の部屋。奥さんと今日の出来事について、話す。いろんな話をしているうちに、面会時間の19時が来てしまった。