上海国際楽器展覧会
上海で楽器の展覧会が開かれると知った。これは行かなければ
浦東の上海新国際博覧中心で開催された。
地下鉄2号線龍陽路から歩いて600mのところだ。大きな道の向こう側だ。
会場の近くでは、中国の民族楽器を路上で売っている人がいる。
会場が見えてきた。
会場に入ると、セキュリティチェックをして、台の上で登録用紙に記入する。名刺を持ってきていたので、名前や会社の欄は記入不要だった。
会場。
いよいよ会場の建物にはいる。すぐに楽器のいろいろな音が建物に響いている。
フランスのゾーン。
セルマーのブース。
楽器だけでなく、周辺アクセサリーや、修理用品も展示されている。
各吹奏楽器のタンポ。
クランポン
ジェトロがとりまとめで日本のブースがあった。
フルートメーカとしては、村松、宮沢、三響が出店していた。
ブースが狭いこともあり、あまり人はいなかった。
世界でも有名なメーカなので、もっと試奏している人がいてもいいと思うが、中国ではまだこのレベルの品物を買う人が少ないのだろうか。
試奏しているかなりうまい人がいたが、日本人のようだった。
まあ、ハンドメイド製作メインの各社にとっては、多売よりも、自社の信念に基づき1本1本しっかり造り、気に入った人に買ってもらう戦略だと思うけど。
服屋の店員が月給2500元(=31,000円)、日系ラーメン店の店長が月給5500元(=68,000円)程度、確かに本気でやる人が買うレベルの20万円は高い。ましてや50万円超の総銀をや。
あまりたくさん上海の楽器屋を回ったわけではないけど、いくつかの楽器屋を見た印象。
・メーカは、最も多いのがヤマハ。次にJupiter, その他無名メーカ。
・商品のラインナップとしては、洋銀製のみ。総銀製以上はどのメーカも見たことがない。
ヤマハの YFL-211, YFL-311まで。
・キーのタイプとしては、カバードキーが多いが、安いモデルでも、リングキーバージョンを取りそろえている。(インラインもあるし、オフセットもある。)
逆に日本は安いモデルは、カバードキーしか置いてなくて、リングキーを探すのには苦労する。
同じ価格帯がメーカ別に何本もあるわけでなく、基本的に選べない。
上海の実店舗で商品を見て買うなら、ヤマハのYFL211,311しかなさそうだ。(取り寄せなどはできるかもしれない)
その他にも、中国のローカルフルートメーカがいくつもあった。
この中国製フルートを吹いてみた。洋銀製しかない。建物がうるさいので、細かな響きは分からないが、わりと鳴ってびっくり。低音から高音までとりあえず鳴る。苦手な高音E、音程がおかしくなりがちなC#もまあまあ。
このメーカ、ファゴットもある。ファゴットを展示していたのは、この展示会場でこのメーカだけだったように思う。
吹けないので、実力は不明。
このメーカのピッコロ。これも割と吹きやすい。
大学の時に吹いていた、ヤマハと櫻井よりも癖はない。(あの二つは使い古されていたので比較対象としてふさわしくないかもしれないが)
別の中国メーカ。色物のフルートである。鳴らないだろうなあーと思っていた。
見るからにいい加減な作り。
実際に吹いてみると、予想通り鳴らない。音程はむちゃくちゃだし、何よりF#が鳴らない。
タンポが浮いているとかではなく、メカニカルな部分がおかしい様子。こりゃだめだ。
その他メーカ。
このメーカがわりと実力ありそうなので立ち寄ってみた。
質量第一だそうだ。(質量=品質)
洋銀のものが試奏できた。なかなか悪くない。
ピッコロ。安ければ買っても良いかも。
他に、木のフルートがあり、試奏したが写真を取り忘れた。木のフルートを展示していたのはこのメーカだけだったように思う。
こちらもなかなかよかった。(重複するが、建物がうるさいので細かいところは分からない)
他にも、金メッキのフルートもあった。
別のメーカ。こちらも色物。遠くから金メッキかと思ったが、単なる色のメッキだった。
見るからに粗悪そうだったので、試奏もしなかった。
フルートの印象としては、
・依然粗悪品はあるものの、実力をつけているメーカもある。
楽器はブランド信仰なところがあるので、今後は、一層の品質向上に努め、ブランドイメージを向上させる必要がある。
・洋銀がほとんど。おそらく中国での売れ線なのだろう。今後は総銀製を製造する実力の向上が求められる。
・展示品は、当然よく調整されたチャンピオン品だと思うので、耐久性や細かな響きは確かめられなかった。
その他にもいろんな楽器があった。他は門外漢なので、詳しくは分からない。
西洋楽器の中で、かなり大きなスペースを占めていたのが、バイオリン系。
バイオリンもあるし、3/4子供用、ビオラ、チェロ、バスなど。
中国では、楽器の手習いとしては、ピアノの次にバイオリンが人気なのだそうだ。
バイオリンのケースも売っている。
これだけバイオリンメーカが乱立しているなら、その材料を売るメーカもいる。
やはり、中国の民族楽器の人気も根強い。一つの建物すべて、二胡、琴、笙、笛等の中国楽器。
主に年配が多い。
近所の公園で二胡と笛で中国の音楽を奏でている人は大勢いる。また、民族音楽、現代音楽を掛けながらダンスを楽しんでいる人も多い。日本よりは、音楽が生活にとけ込んでいるように思う。
ピアノコーナーも人気があった。スタンウェイなどの西洋メーカに対して、中国メーカもかなりある。
スタンウェイ。
ギターももちろん。その他、エレキ用の周辺機器(ケーブル、弦、アンプ、エフェクタ)も豊富に展示されている。
有名ブランドの中国製ギターは初心者には十分だと聞いている。
マリンバ。
ドラム。プロの人が演技していた。ちょっとドラムの音が薄い気がした。
パールのドラム。二人でセッションしていた。こちらはかっこいい!
楽器の他にも、スピーカや投光器などの設備も展示している。
この部屋、ドライアイス炊きすぎて視界不良。空気も薄い。うぐぐ・・・
ヘッドホンの好きなブランドのゼンハイザー。未だにHD580を8年くらい使っている。
このブースでは、マイクのみで、ヘッドホンはなかった。
ヘッドホンのメーカが、アカペラ・ボイパで演技。一回やってみたいんだよなあ。
ローランド。電子ドラムと電子ピアノが多い。
ヤマハは、かなり大きなブースで、ピアノ、吹奏楽器など、いろいろ展示していた。
音楽グッズ。
いやはや、なかなかおもしろかった。
今度は誰か他に楽器に詳しい人と来て、わいわい言いながら回りたい。